★レッドソックス日本開幕戦・観戦記〜ネーションたちの熱い4日間〜

dir_holy2008-03-30

東京ドームで行われた
レッドソックスのゲームを観た人の中には
「フェンウェイのほうが断然いいよ!」という
感想をのべる人もいるようです・・・・。


人の感想に他人がどうこう言うのは
意味のないことだけど
「そんなことは当たり前」と言うしかない。


何しろ、
フェンウェイ・パークは“天国”なんだから!
比べること自体が間違っている。


そして、何よりも
せっかくレッドソックスが日本で、自分たちの目の前で
プレーしてくれているに楽しめない人がいるのならば
それは、とてもとても可哀そうなことに思えて仕方ない。


もちろん、私は、
今回のレッドソックス来日ゲームを
思う存分に、期待していた以上に
心底楽しむことができました。


それは何よりも
レッドソックス仲間の皆さんの
お陰に他なりません。


ネーションたちの熱い4日間。
まさに夢のような時間でした・・・・。





★3月22日、土曜日。快晴。


待ちに待った
我らがボストン・レッドソックス
日本でのゲーム初日。


日頃は、飾っておくだけになっている
レッドソックスのジャージを身につけるだけで
もうワクワクしている。


ボストンへ応援に行った時にしか
ほとんど着る機会がないので
何だか、これだけでも嬉しい。
ましてや
お気に入りのジャージを着て
今日は(テレビでなく生の)レッドソックス
応援できるのだから、これ以上の贅沢はない。


5番・ガルシアパーラにしようか
7番・ニクソンにしようか
38番・シリングにしようか
やっぱり今日は
15番・ペドロイアにしよう!


AM10:50。


待ち合わせの22番ゲート近くに行くと
レッドソックス応援スタイルで固めた
マサ斎藤さんがいた。
彼は、
レッドソックス
スプリング・トレーニングを観るために
数日前まで、
フロリダ・フォートマイヤーズに
行っていたレッドソックス仲間のひとり。
映画「Fever Pitch」を思い起こさせる
その情熱には頭が下がります。


マサ斎藤さんの友達
広島から参戦してこられたあみーごさんを
紹介される。


彼も、見るからに
ダイハードなレッドソックス・ファンを感じさせ
すぐに意気投合できた。
こうしてレッドソックス仲間が
どんどん繋がっていく。


みんなが集合しているという
総合案内所のところに行くと
いるわ、いるわ、
仲間のREDSOX NATIONたち(以下、ネーション)が!


いつものメンバーはもちろんのこと、
昨年の世界一祝勝会以来の懐かしい顔、
そして、新しい顔も。
みんな、レッドソックスという共通言語で
強く、深く、濃く、結びついている。
再会しただけで、
テンションがぐんぐん上がってしまった。


この日は試合後に
「REDSOX NATION JAPANの会」を行うので
私も含めたスタッフたちは
みんなといったん別れて、会場となる某パブへ行って
準備と最終打ち合わせを行った。


この準備に思っていた以上に時間がかかったのと
東京ドームの
手際の悪いセキュリティーチェックのせいで
入場がギリギリとなり、
中に入ると、すぐに国歌斉唱になった。


ドーム内は、満員とまではいかないが、
昼12時からのゲームとしては、かなり客が入っている。
もちろん、大半は阪神タイガース・ファンであり、
レフトスタンドは黄色に染まっていた。


チケットは1塁側2階席(実際は3階)でしたが
空席を有効利用しなければもったいないので
自主的に移動して
バックネット裏2階席あたりに
みんなで固まって観戦することになった。


騒いでいるのは(応援しているのは)
阪神ファンと、あちらこちらにポツポツといる
外人レッドソックス・ファンという中で
私たちのいる一角だけが赤く染まっていた。


レッドソックスを応援する変な日本人の集団」


周りの観客たちには、
きっと、そうしか見えなかったことだろう。


でも、そんなの関係ねぇ〜(まさに、そんな感じ)

ドーム内の静けさを無視して
お決まりの


LET’GOコール

Yooooouuuuukkkkk


などの
フェンウェイ式応援を存分に楽しんだ。


そして、ついに歴史的瞬間を迎えることになる。
8回裏レッドソックスが守備につく時に
東京ドームに
「Sweet caroline」が流れたではないか・・・・


期待はしていたものの
実際にはどうなるのか誰も知らなかったので
このサプライズにみんなで大喜びした。


So Good!  So Good!

気持ちいいぞ! 気持ちいいぞ!


もう、これだけでも
東京ドームに来た甲斐があった、という感じ。
ゲームもしっかりと勝利。
まず1勝目。
4連勝への期待が高まる。


フェンウェイと同じように
The Standellsの「Dirty Water」が流れる中、
東京ドームを後にして
パーティー会場へ急いだ。


まるでダブルヘッダーを行うように
もう一つのお楽しみが始まった・・・・。



★3月23日、日曜日。快晴。


前日のパーティーの余韻が完全に残っている。
ネーションたちにとって、
本当に夢のような時間だったと思う。
あそこまで盛り上がるとは。


この日のゲームは19時からだったが
早めに行って、(昨日はパーティーの準備で見れなかった)
バッティング練習から見ようということになっていた。


16時に東京ドームに到着。


ケータイをかけてみると
予想通りに、昨夜パーティーをやった
某パブに集まっているとのこと。


matsudyさんやアメリカンさんは
渋谷で行われたサイン会へも行ってきたらしい。


しばらく時間を潰してから
東京ドームに入る。


今日の席は、レフト側外野席。


ちょうど
レッドソックスのバッティング練習が始まった。


目の前で
カート・シリングほかのピッチャー陣が
ランニングしている。


岡島が、真正面のところで
立ち話をしながら外野守備についている。


外野スタンドからはひっきりなしに
「オカジ、オカジ」の声援がかかる。


レッドソックス
主力のオルティス、ラミレスなどから
順番にゲージに入ってバッティング練習を始めた。


面白いようにポンポンと外野スタンドに
ボールが飛んでくる。


レフトスタンドの観客たちは
そのボールを手に入れようとあっちへこっちへと大騒ぎ。


1度、私のすぐ近くにも飛んできたが
残念ながら他の人に横から獲られてしまいました。


私はダメでしたが
yab.さんが見事にボールをキャッチ。
いい記念になってよかった、よかった。


さっそく、
そのボールを握らせてもらいましたが
真新しいメジャーリーグ公式ボールは
ツルツルしていました。


そんな喧騒の中なのに、
ボストンから取材で来ているダイゴさんが
噂の2400円焼肉弁当を(写真を撮ってから)
平然と食べていたのが妙に可笑しかった。
ちなみに
後日、私も話のネタに買って食べてみました。
(美味かったけど、やはり、この値段は・・・)


この日は、外野席だったので
ある程度は覚悟していましたが
周りはジャイアンツのファンばかり。
ライトスタンドの応援団ほどではないにしろ
私たちの席の後ろには
かなりの数のジャイアンツ応援団が席を陣取っていた。


レッドソックスのTシャツやキャップ姿の観客も
パラパラと点在していましたが
声を出して応援していたのは、ほぼ私たちだけ。
まさに完全アウェー状態。


いつも通りに
フェンウェイ式で応戦。
一番声を出しているkeyさん(英語が堪能)は
声を潰すくらいに張り上げていました。


すると
前の席に座っている客が露骨にイヤな顔をして
こっちを睨みました。
口には出していないけど
「うるさいなぁ。もっと静かに試合を観れないのかよ。」と
言っているのが表情からありありとわかりました。]


でも、ちょっと、待ってよ。
ベースボールを観に来ているんだから
どっちがフツーなの?


そのお蔭で、闘志に火がつき(?)
みんなで、さらなる大声をあげて応援したのは
言うまでもありません。


すると可笑しなことに
周りの日本人の観客やジャイアンツ・ジャージの人も
少しずつマネし出すではありませんか。
中でも、子供は素直なもので
どちらのファンかなんて関係なしに楽しいこと優先。


私たちが「Yooooouuuuukkkkk」とやると
とても楽しそうに一緒にマネていました。
レッドソックス・ファン、ユーク・ファンを
増やせたような気がしてちょっと嬉しかった。


この日のゲームは
大好きなウェイクフィールドの先発。


日本でウェイクの雄姿を見られるなんて
本当にシアワセでしたが
なぜか魔球ナックルボールではなく
ストレート主体のピッチングで
あまりパッとしない内容でした。


開幕直前のジャイアンツが
ウェイクのナックルでバッティング・フォームを
崩さないように(ジャイアンツ側が)
土下座して頼みこんできたのではないか、というのが
私たちの一致した意見でした(汗)。

そんなゲームの中で一番盛り上がったのは
6回に飛び出した
J.D.ドルーの逆転満塁ホームラン。


あのホームランが
ちょうど私たちが座っていた席の目の前に
飛んできたのでビックリ!!!!!


あのホームラン・ボールは
結局、最前列にいたレッドソックスTシャツを着た
日本人の男性がキャッチしたのですが
その数列後ろに私たちが座っていました。


一番通路側に座っていたkeyさんが
通路をダッシュしましたが残念ながら届かず。
隣に座っていた私も後に続きましたが
キャッチした男性に(よくやった!)と
ハイタッチして席に戻りました。
※後で、テレビで確認しましたが、チラっとだけ映っていました


このホームランの瞬間、
こちらに迫ってくるボールを目で追っていたところ
ボールはスタンドまで届いていなくて
(男性がグローブをインフィールドに出して)
キャッチしたように見えたので
昔あったヤンキースタジアムのあの光景が
デジャヴのように頭に浮かびました。


ジャイアンツにも、しっかりと勝利。
2勝目。あと2勝だ!


この日も「Sweet caroline」が流れたので
ジャイアンツ・ファンに囲まれる中、
立ち上がってみんなで熱唱。
しかし、その最中に
ジャイアンツ応援団が応援歌をかぶせてきたのには
ちょっとムカっときた。



★3月25日、火曜日。晴。


前日の雨がウソのように
とてもいい天気。


ついに、2008年メジャーリーグ開幕戦。
それも前年のチャンピオンチームが
わざわざ日本に来てオープニング・ゲームを
やってくれるのだから本当に凄いことだ。


日本での開催を抜きにしても
メジャーリーグの開幕戦を観られる機会なんて
めったにないこと。
ましてや、それが
贔屓チームのレッドソックスがやってくれるのだから
もうこれ以上のことはない。


この記念すべき日を
確実に楽しむために
この日は有給を取りました。


有給自体は、かなり貯まっているので
何の問題もないけど
年度末のとても忙しい時なので
結局、家で仕事をしてから後楽園へ向かった。


この日のシートは
アメリカンさんがオークションで競り落としてくれた
バックネット裏のとてもいい席。


阪神戦、巨人戦のプレシーズンゲームの時とは
比べものにならないくらいに
レッドソックスのジャージやTシャツ姿のファンが大勢いる。


日本にも、
こんなにたくさんのネーションがいることを
実感できて嬉しくなってきた。
意外だったのは、
オークランドのファンもけっこう目にしたことだ。
きっといいゲームになりそうな予感がしてきた。


ゲーム内容は
ご存じの通りに、ファンが観たいものを
すべてみることができたような
本当に最高に楽しめるものだった。


レッドソックス先発の松坂。
ピッチング内容は、
まるで去年のピッチングを見ているかのような
ピリっとしないものだったが
2点で踏ん張ってくれた。
結果・内容はともかく歴史的な瞬間だった。


オークランドに先行されたが
ジャコビー・エルズベリーの超ファインプレーが出る。
フェンスに頭をぶつけながらのキャッチに
選手もファンも気合が入り、ゲームの流れが変わった。


土壇場でモスが同点ホームランを打ってくれて
開幕戦からいきなりの延長戦へ。


場内に流れた
「試合の決着が着くまでゲームを続けます」という
アナウンスが妙に気持ちをドキドキされてくれた。


そして最高の展開の中で、
岡島が登板。


いや〜、盛り上がりました。
フェンウェイ同様に、
球場全体に「Okajima OKI-DOKI」が流れて
東京ドームが揺れていました。
数えきれないくらいのフラッシュの中
岡島がきっちりとセットアッパーの役割を果たす。
ファンは盛り上がっていたけど
1点取られればサヨナラ負けという
プレッシャーの中であれだけのピッチングができるだから
今年も強い勝負運を持っているように思えました。


そして
10回表にマニーのタイムリーで逆転。
やっぱりマニーは頼りになる。


10回裏にはパペルボンまで登板してくれて
見たい選手が全員登場してくれて
試合にも勝つという、
ネーションにはたまらないゲームとなり
大満足!


オークランドのほうでも
なんと
アラン・エンブリー
キース・フォーク
レニー・ディナルド
という元レッドソックスのピッチャーが
つぎつぎと登板してくれたので
この時ばかりは
みんなで大きな拍手を送りました。


この日、面白かったのは
バックネット裏のいい席だったことで
いろいろな有名人が近くに座っていたことでした。


中でも
レッドソックスのオーナーの
ジョン・ヘンリーが
独りでビールを片手に
目の前でウロウロしていたのにはビックリ。
「ミスター・ヘンリー」と声をかけると
親指を上に向けて、なんとも言えないイイ笑顔で
応えてくれたのは嬉しかった。


昔、ボストンにもいた指揮者の小澤征爾さんも
33番・バリテックのTシャツを着て
目の前を行ったり来たり。


一緒に観戦していたyab.さんの奥さんが
「あれ、小澤征爾さんに似ている」と発見したのですが
最初はご本人なのかどうなのかハッキリ判らずじまいに。
でも、あの髪形の人は、滅多にいないよね、と
いうことで意見が全員一致。
※翌日の新聞記事でやはり本人であることが判明


この日、一番嬉しかったことは
「LET’GO RED SOX」コールが、あちこちから起こり、
さらには、それがずっと続いたことでした。
東京ドームがフェンウェイ化した瞬間でした。


逆転勝利で3連勝。
最高に気分がいい。
最後は、グランド内に設けられた
お立ち台に上がっているマニーを背景にして
みんなで記念撮影。もちろん全員最高の笑顔!


東京ドームから出たところで解散となり、
私は仕事が残っていたのでyab.さん達と帰ったのですが
興奮冷めない数人は
そのままいつものパブへ行って盛り上がったそうです。



★3月25日、水曜日。晴。


とうとう最終戦の日
昨夜の劇的な勝利と大満足の試合内容に
テンションが上がりっぱなし。


でも、この日は普通に朝から仕事。
さらにはむちゃくちゃ忙しい一日となった。


17時にお台場でアポがあり、大事なプレゼンを
しっかりこなして、その後、打ち合わせも1つ。


バタバタと終わらせて、東京ドームへ
大急ぎに向かった。


これまでの3試合と違って
レッドソックスのジャージではなく
スーツのままでの観戦となってしまったが
これはもう仕方ない。


この日も
途中から移動して
バックネット裏の記者席横に集合して観戦。
レッドソックス・ジャージを着ていないせいか
ちょっと応援に力が入らない。


そんな私を横目に
keyさんは、ちゃんと着替えてきて応援。
yab.さんも、ちゃんとジャージとキャップを
カバンに入れていた。
さすがです。


試合のほうは、どうも重苦しい展開。
レッドソックスの打線も湿っていた。


この日一番のトピックスは
アメリカンさんの計らいで
なんとバックネット裏・真後ろ3列目の席で
交代で観戦できたこと。
何でも、ここらへんの席は
一般販売しない特等席ということらしい。


私は5回・6回に
このスゴイ席で観戦させてもらいました。


どのくらいスゴイかというと
通路を挟んだ左横うしろの席には
レッドソックスGMのセオ・エプスタインが
腕を組みながら険しい表情で戦況を見つめてる、
そんな場所でした。


隣のダイゴさんと話をしながら
観戦していたその時(6回表)、
数メートルの目の前にいるマニーが
特大のホームランをスタンドにぶち込んでくれた。
その瞬間、ボールがバットに当たった時の
あのカツンっという心地よい音が
私の耳にリアルに聴こえてきました。


もう打った瞬間、音が聞こえた瞬間に
(スタンドへ)入ると確信できるような
見事なホームラン。


その瞬間、(当然だと思いますが)
思わず「ワォー」と叫びながら
その場で立ち上がっている自分がいました。
(テレビにしっかり映っていた)


でも、周りの人たちは、ほとんど誰も立ち上がらずに
冷静にホームランを見届けていました(ように思えた)。
まぁ、そういう席なので仕方ありません。


私も周りの空気を読んで
静かに座りましたが、とても興奮していました。
いいものを見れて、本当にラッキー!


ダイゴさんとハイタッチして
その喜びを噛みしめました。


日米野球の時の
オルティスの信じられないくらいの
飛距離が出たホームランに続いて
マニーのホームランも生で観られて
本当にシアワセな感じ。


試合のほうは、残念ながら完敗。
4連勝とはいかなかった・・・・。


仕方ないので
試合に負けた欝憤を少しでも晴らそうと
みんなで、いつものパブへ。


そこにはすでに
試合を観終えたレッドソックス・ファンが
大勢集まっていました。


試合には負けましたが
みんなで
「LET’GO RED SOX」コール
そして
「YANKEES SUCK」コールまでやって
憂さ晴らし。


オークランドに負けたのに
ヤンキースを罵って盛り上がるのが
これ、ネーションたるところ。


こうして
夢のような4日間が、ついに終わりを迎えることに。


みんなで
「LET’GO RED SOX」コールして、
レッドソックスが得点したらハイタッチして喜んで、
「Sweet caroline」を歌って・・・・。


シンプルだけど
言葉に表せないくらいに楽しい応援。
日本の画一的なスタイルとは
正反対なこの楽しみ方が大好きです。


この熱い4日間を通して
日本のネーションたちは
さらに絆を強めたことは間違いありません。


まだ08シーズンが始まったばかりですが
秋には、みんなで美味しいお酒
(もちろんサムウェル・アダムス)を
飲みたいものです。