★ブレードランナーの世界観

dir_holy2007-11-25

新宿バルト9
ブレードランナー/
ファイナル・カット版」
を観てきました。



ブレードランナー・・・・



伝説的なカルト映画であり、
今ではSF映画の金字塔とも
言われるほどの
高い評価を受けている人気作品。


そして
映画という枠組みを超えて
アート、建築、音楽においても
多大な影響を与えた作品。


欧米では
大学の授業の教材にまで
使われるほどであり、
80年代の「ポストモダン」を
最も象徴するものとして語られることも
たびたびあるらしい。


シンプルでシャープ、
よけいな装飾を削ぎ落とした
“モダン”デザインに対して
「デコラティブ」であり「レトロ」なデザインの象徴。


ブレードランナーにおいては
さらに、言葉では表現し尽せない
混沌とした、雑多で、廃退した世界観が
見事に描かれてあります。



世界観・・・・



「世界観」は
クリエイティヴにおいて
最も重要なことだと思っています。


人は
物語(ストーリー)を通して
物事を理解し
世界観によって
共感を深める。



ブレードランナーでしか
描くことができない世界観。


オープニング・シーンで
「2019年 ロサンゼルス」という
テロップの後に映し出される
あの映像、あの世界観を観ただけで
思わず画面に引きずり込まれてしまうほどの
圧倒的なオリジナリティーがある。


初めてあのシーンを目にした時の
あまりに強烈なインパクトは
今でも忘れることができません。


2001年宇宙の旅」をはじめとする
21世紀の未来を描いたどの作品よりも
リアルに感じ、
ブレードランナー以外の作品は
すべて嘘臭くさえ思えました。



これまで
どれだけ多くのクリエイターたちが
ブレードランナーのような感じで・・・」
ブレードランナーの世界観で・・・」
ブレードランナーっぽく・・・」
と使ってきたことだろうか・・・・。



どんな詳細な説明よりも
ブレードランナー」という共通言語ひとつで
正確に伝わるのだから
本当に凄いことだと思う。



公開から25年経った今でも
まったく古さを感じさせない
世界観と映像美は
まさにアートの域に達しています。



ホッパーやウォーホル、
リキテンスタイン
ジャスパー・ジョーンズと一緒に
MoMAのパーマネントコレクションに
加わる価値がある
アートそのものです。



ビデオやDVDで
何回も観ている作品ですが
映画館で観るのは
「ディレクターズカット/最終版」が
公開された時に続いて
今回が2回目。



これがスクリーンで観られる
本当に最後と言われているので
ブレードランナー」を
映画館で観たことない人は
観ておいて損はないと思います。



ブレードランナー
ほとんどのシーンで
憂鬱な酸性雨が降っていますが
新宿バルト9の音響設備は
まるで自分がその場面の中にいるような
見事な臨場感を醸し出してくれていました。